モリちゃん漫画 vol.013
皆さんは「腸内フローラ」という言葉を聞いたことがありますか?「健康や美容に関係があるのは知っているけど、詳しくは分からない…」という方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は腸内フローラについて徹底解説します。
腸内フローラとは腸内細菌の〝お花畑〟。
ここ数年、テレビや雑誌の健康・美容特集でよく取り上げられている「腸内フローラ」。この腸内フローラ、どんなものかご存知ですか?
腸内フローラとは、腸内細菌の集まりのことです。私たちの腸内には、1000種以上、数にして100兆個以上の細菌が棲みついていて、その様子を顕微鏡で覗くとお花畑(英語でフローラ)のように見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。
腸内フローラにはどんな菌がいるの?
腸内フローラを作っている細菌は、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌 」の3つに分けられます。
善玉菌は、腸の動きを活発にするなど「体に良い働きをする細菌」で、その代表がビフィズス菌や乳酸菌です。悪玉菌は、腸内で有害物質を作り出すなど「体に悪い働きをする細菌」で、日和見菌は「善玉菌、悪玉菌のどちらか数の多い方に味方して働く細菌」です。
健康な腸内では、この3つの細菌が「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」のバランスで保たれています。
美も健康も腸内フローラ次第!?
残念なことに、現代人は食生活の偏りや生活習慣の乱れなどから、悪玉菌の割合が増えて、腸内フローラのバランスが乱れがちになっています。その結果、便秘になったり、太りやすくなったり、肌が荒れたり…と、美と健康にさまざまな悪影響が出てしまっているのです。
反対に、「善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7」と善玉菌優勢の腸内フローラを保ち続けることができれば、美と健康に「良いこと」がいっぱいになるのです。
今回は、腸内フローラが整うことによる嬉しい効果と、誰でも簡単にできる腸内フローラの整え方をご紹介します。元気でキレイな毎日のために、今日から実践してみてくださいね。
お通じが良くなる。
善玉菌は腸を刺激することで腸のぜん動運動(便を押し出す働き)を活発にし、一方の悪玉菌は有害物質を出すことでぜん動運動を鈍くする働きがあります。
腸内フローラに善玉菌がたくさんいると、便がスムーズに排出されるようになり、便秘知らずで、毎日スッキリできます。
痩せ体質になる。
人によって太りやすさや痩せやすさは違いますが、その違いには、腸内フローラの状態が関わっているといわれています。
善玉菌によって作られる「短鎖脂肪酸」に脂肪を蓄えにくくしたり、代謝を良くしたりする働きがあり、善玉菌が増えると、太りにくく、痩せやすい体質に近づけるのです。
肌がキレイになる。
善玉菌が増えると肌のツヤや潤いを保つ「皮膚常菌(通称・美肌菌)」の働きが活発になります。逆に悪玉菌が増えると肌の老化を加速させる「活性酸素」が発生しやすくなります。
つまり、腸内フローラが整うことで、美肌が育ちやすい体内環境になり、年齢に負けない若々しさをキープすることができます。
ハッピーになる。
腸内フローラが整うと、幸福感をもたらす「セロトニン」というホルモンの分泌が活発になり、ストレスを感じにくく、幸せを感じやすくなります。
免疫力が上がる。
善玉菌によって作られる「短鎖脂肪酸」には、腸に入ってきた病原菌が増えるのを防ぐ働きもあるため、善玉菌が増えると免疫力アップに繋がります。
麦ごはんで2つの食物繊維を摂る。
キレイな腸内フローラを育てるためには、食事などから善玉菌のエサとなる食物繊維を摂り、善玉菌を増やすことが大切です。食物繊維には善玉菌のエサになる水溶性食物繊維と、腸のぜん動運動を活発にしてくれる不溶性食物繊維の2種があり、この2つをバランスよく摂れると腸はより元気になります。
2種の食物繊維を豊富に含む食材としてオススメなのが、麦ごはんです。いつもの白米を麦ごはんに変えるだけで、おいしく手軽に腸内フローラを整えることができますよ。
漬け物や納豆で乳酸菌と酵素を補う。
乳酸菌は、食べ物から補いやすい善玉菌です。そんな乳酸菌を摂るためにオススメの食材が、漬け物や納豆です。
乳酸菌は、動物性乳酸菌と食物性乳酸菌に分けられますが、漬け物や納豆に含まれる植物性乳酸菌は低カロリーなため、ダイエット中の方にもオススメです。
さらに、漬け物や納豆などの発酵食品に含まれる酵素には、腸内で食べ物を消化・分解し、悪玉菌のエサとなる未消化物(消化できずに残った食べかす)を減らす役割もあります。
献立の一品に漬け物や納豆をプラスして、乳酸菌と酵素を補うようにしましょう。
簡単「腸もみ」で腸を元気に。
腸をマッサージして程よい刺激を与えると、腸内フローラが整いやすくなります。簡単にできるのが、大腸の形に沿って腸をもみほぐす「『の』の字マッサージ」です。両手を軽く重ねて、おへその下あたりから時計回りにゆっくり10回ほど「の」の字を描くようにマッサージし、腸を元気にしましょう。
ただし、腸の消化活動が活発になっている食後1時間以内は、腸への刺激が強くなりすぎるので、マッサージを行うのは避けてください。
オススメのタイミングは、体が温まる入浴中です。血行が良くなり腸も元気になるので、湯舟に浸かりながらマッサージを行いましょう。
「の」の字マッサージの行い方
- 両手を軽く重ねる
- おへその少し上に両手を置く
- 軽く力を加えながら、時計回りに「の」と書くイメージでもんでいく
- 10周くらい続ける
朝日を浴びて熟睡。「睡眠」から腸内改善。
質の良い睡眠は、腸内フローラを整えることに繋がります。
そこで、欠かさず実践したいのが、朝起きたらすぐにカーテンを開け、朝日を浴びることです。朝一番に太陽の光を浴びると、睡眠のリズムを作るメラトニンというホルモンが分泌され、夜になると自然に眠気が出てぐっすり熟睡することができます。
自律神経を整える深呼吸でリラックス。
自律神経のバランスが整えば、腸内フローラのバランスも整いやすくなります。自律神経はリラックスしているときに整いやすくなるので、イライラしたりストレスを感じたときは、ゆっくり深呼吸をして心を落ち着けましょう。吸う時間の2倍の時間をかけて息を吐くと、よりリラックスできますよ。