モリちゃん漫画 vol.015
皆さんは「五月病」に、どんなイメージがありますか?「やる気が出ない」「不安な気持ちになる」、そんな心のトラブルが思い浮かびますよね。でも実は、春の便秘も五月病のひとつ。この時期は、お腹も元気がなくなりがちなんです。
5月に起きやすい『春便秘』とは?
あたたかな日差しが心地良い5月ですが、一方で、やる気が起こらなくなったり、疲れやすくなったり、眠りが浅くなったり…と、いわゆる「五月病」と呼ばれるいろいろな体の不調が起こりやすい時期でもあります。
この五月病の大きな原因といわれているのが、自律神経の乱れです。5月は、日中と朝晩の寒暖差に体がついていけなかったり、新生活や大型連休の影響で生活リズムが変わったりすることで自律神経が乱れやすくなり、その結果様々な不調が起こってしまいます。
実は、この自律神経の乱れが「お通じ」にも悪影響を与えるため、春になって便秘に悩む人が多くなるのです。そこで今回は、自律神経の乱れによって起こる『春便秘』について解説します。
自律神経は心と体の司令塔。
そもそも自律神経とは、呼吸や体温調整、消化・吸収など、生きていくために欠かせない体の働きをコントロールする神経のひとつです。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、それぞれがバランスを取りながら、体と心の健康を保っています。
交感神経は、体と心を活動的にする働きがあり、昼間や緊張状態のときに優位になります。一方の副交感神経は、体と心をリラックスさせる働きがあり、夜間やリラックスしているときに優位になります。
通常は2つの神経がタイミング良く切り替わるのですが、その切り替えがうまくいかずバランスが崩れてしまうと、体に様々な不調が起こってしまうのです。
交感神経が強くなると腸の動きが悪くなる!?
自律神経には、腸の働きをコントロールする役割もあるため、自律神経が乱れて交感神経が優位な状態が続くと、腸の動きが悪くなり、便秘になりやすくなります。
特に交感神経が強い状態が続くと、その傾向が顕著になるといわれています。これは、交感神経に腸のぜん動運動(便を押し出す動き)を弱める働きがあるためです。
放っておくと便秘が慢性化。
自律神経の乱れによって交感神経が優位な状態が続いて便秘になると、腸内環境が悪くなってしまいます。すると今度は、腸と密接な関係にある脳がストレスを感じてしまい、ますます自律神経のバランスが乱れてしまいます。この悪循環を繰り返すと便秘が慢性化してしまいます。
「もしかして春便秘かな?」と感じたら、早めの対策を心がけることが大切ですよ。
朝の簡単習慣
朝一番にコップ1杯の水を飲む。
朝起きてすぐにコップ1杯の水を飲むと、胃腸が刺激されて副交感神経の働きがアップし、便秘解消に繋がります。日中にコップ1杯の水をこまめに飲むのも効果的です。
朝食は〝一口30回〟でゆっくり食べる。
よく噛んでゆっくり食べるリズムは、副交感神経の働きを高めてくれます。一口につき30回以上噛むようにしましょう。
昼の簡単習慣
すき間時間に「1:2呼吸法」を実践。
呼吸が整うと自律神経も整います。家事や仕事の合間には、息を3秒吸って2倍の時間の6秒吐く「1:2呼吸法」で副交感神経を活発にし、お通じを促しましょう。
イライラしたらツボを押す。
イライラするときは、交感神経が優位になっています。手の甲の「合谷」(ごうこく)というツボを押すと、副交感神経の働きが高まり、心も体もスッキリできますよ。
夕方の簡単習慣
夕食にはトマトと発酵食品を添える。
トマトや発酵食品などに多く含まれるGABA(ガンマ-アミノ酪酸)には、副交感神経の働きを高める働きがあるといわれています。夕食の献立には、サラダなどトマトを使った料理や、キムチ、漬物などの発酵食品を1品取り入れるようにしましょう。
お風呂上がりに足指タオル掴み運動。
足の指をよく動かすと、副交感神経の働きが高まり、スッキリが習慣づきやすくなります。お風呂上がりは、脱衣所にフェイスタオルやバスマットを敷いて、足を拭くついでに足の指でタオルを掴むようにたぐりよせる運動を習慣にしてみましょう。
夜の簡単習慣
ベッドの上で手足ブラブラ体操。
手足の血行が良くなると、副交感神経が優位になって自律神経のバランスが整います。お休み前、ベッドや布団の上で仰向けになり、両手両足を上げて30秒ほどブラブラ揺らし、血行を良くしましょう。1日の緊張がほぐれ、安眠にも繋がりますよ。
お休み前のアロマでリラックス。
ラベンダーやカモミール、ジャスミンなど、リラックス系のアロマオイルは、副交感神経の働きを高めてくれます。アロマディフューザーがなくても、寝る前にティッシュに数滴のオイルを垂らして枕元に置いておくだけでも効果的ですよ。